10月 バンビだより
雨の多い9月を過ぎ、いよいよ外遊びのたっぷりできる季節になります。
バンビまつり、お弁当の日もありますので、お忙しいところ申し訳ありませんがご協力をお願いいたします。
先日、2歳児さんとお相撲ごっこをしました。
いままでは体を使ってじゃれついたり、くすぐったり、追いかけたり、ルールのない遊びで楽しんでいましたが、お相撲、というとスポーツですからルールがあります。
「まずは土俵入り」と四股を踏んでみせると、はじめはじっと見ていた子どもたちがまねっこを始めました。膝に手をついてリアルにまねする子、ひょこひょこと足を持ち上げている子、「よいしょー」と掛け声も勇ましい子。
お相撲は神様に捧げる競技ですから手順もいろいろありますね。
なかでも子どもたちがわかりやすくまねしやすい動作が「土俵に塩をまいて清める」という動作だと思ったので、派手にまくおすもうさん、ちょびちょびとふりまくおすもうさんといる中でも、どばーっとまくタイプで再現。子どもたちもおもしろがって、さっそく見様見真似で塩をつかむふりをし、隣でぱあっとまきます。本当は土俵の反対側にももう一つ塩が置いてある場所があって、お互いに向かい合って塩をまくんだけど、実際のお相撲を見たことがない子も多いと思うので、細かいことはまあいいか。
そして取り組み…となるのですが、どうしてもじゃれつきの延長の感覚では子どもたちがいっぺんにかかってきて、お相撲ではなくなってしまいます。そこで「1対1の真剣勝負だからね」「呼び出しがかかった人が取り組みだよ」と伝えました。
「に~し~、(子どもの名前)や~ま~」と呼び出しがかかった子は、目がキラキラ!
残念ながら呼び出しされなかった子は「〇〇もー(したーい)」と訴えるのですが、「次呼び出しされるかな?ここで応援してね」というと架空の土俵の外で待ちます。
「見合って、見合って…はっけよーい…」この間合いは、大切。
相手の子がわたしをしっかり見ていなければ、いつまで経っても「のこった」の声はかかりません。もし見たとしても、笑っているうちはやはり「のこった」とはなりません。
こころとこころがピタッときたときに取り組みを始めるのがお相撲のルールです。そん
な説明はしなくても子どもたちには通じるようで、周りで見ている子も、はっけよーいでとまったままのふたりをかたずをのんで見守ります。
「のこった!のこったのこった」
さあ取り組みが始まりました。やみくもにばしばしと手を動かすばかりの子は、すぐに
上手投げされてしまいます。でも、だんだん体を使っていくうちに腰をいれて押すことがわかるようになり、ぐっと相手に力が伝わるようになります。そうなると大一番。対戦しながら実況するわたしも、力が入ります。周りの子たちも「がんばれ、がんばれ」と声を上げ、たまらず一緒に加勢する子も続出。
わたしが押す、3歩下がったけどのこった、のこった、土俵際でのこりました、そして押す、押す(わたしがさがる)その応戦をしばらくしても最後まであきらめず足のつま先をしっかり踏ん張って押し続けた子は、わたしを倒すことができるのです。
「やられた~」とひっくり返ると「やったー!!」と大喜び!その瞬間にもう次の取り組みをしたい子が「つぎは〇〇ちゃん!」と意欲まんまんです。
2歳児さんのこの時期は、ルールを知って少しずつ守りながら遊ぶとみんなが楽しく遊べることをわかっていく時期なのですね。
年齢の発達に合わせた「お相撲ごっこ」を終えると、ただじゃれついていたときとは違い、顔に充実感があふれていました。お相撲中に迎えのお母さんがきた☆ちゃんを、みんなが名残惜しそうに見送り「またおすもうしようね」「うん、しようね」「またあしたね」「うんあしたね!」と楽しかった時間を確認するかのように話していたのがその象徴だと思いました。
子どものこころにスイッチがはいり、これから遊びがふくらみそう!と感じるとき、本当にわくわくします。
行司役の子は今日は船(なぜか)を振っていたから、うちわで作ろうかな?
段ボールでまわしとか作ってみる?
お相撲の絵本ってあったっけ?
土俵入りの動きもさらにリアリティがほしいな。型がいろいろあるし!
できれば本物がみた~い!!!テレビでもユーチューブでもなく、本物、です。
せっかく宮の坂の八幡様に土俵があるから、そこを使って遊ぶのもいいねえ。
とめどなくあふれてくるいろんな案の、どれから実践しようかな。もちろん子どもたちが主になって、です。
「今日はきのうのつづきするんだ!」とにこにこと通ってこられる保育園でありたいと改めて思いました。
0コメント