10月 バンビだより
ようやく涼しくなり、外遊びへと飛び出していく子どもたち。9月の3連休のあとは、お友だちに会えた喜びでか、みんないきいきしていました。少し前になりますがある朝のこと。お父さんがお子さんを送りにきてこんな風に声をかけているのが印象的でした。「じゃあね。たのしんでね」。私自身、子どもたちには朝「気を付けてね」「今日もがんばって」などとは言わないようにしています。なぜかというと、これから生活を送るその先の社会は楽しいところであってほしいし、いつでも気を付けなければならないところ、がんばらなくてはならない場所ではないと思っているからです。
そのお父さんも子どもたちにとってバンビ保育室が楽しい場所だと思っているから「たのしんで」という言葉になったのかなと感じ、すっかりうれしくなってしまいました。声を掛けられたお子さんは、きっと「きょうもたのしくあそぶぞ~」と前向きな気持ちでお別れできたのではないでしょうか。小さなことですが、毎日のことだからこころに染み込んでいくことでしょうね。バンビっ子がバンビ大好きな子に育っているのは、ご家庭のご協力があるからこそです。
先日は2歳児の〇ちゃんと1歳児の☆ちゃんが手をつないで立っているところに遭遇。あまりに微笑ましくてみていたら、わたしもつなぎたそうにみえたのかふと〇ちゃんが手を差し出したのでわたしもつながり、せっかくつながったからと3人で円くなって「いとぐるま」のリズムあそびをしてみました。ふたりにとって初めての遊びだったのですが1回で気に入ってげらげら大笑い。「もいっかいしよ!」というのです。そんなわたしたちの姿に、周りで見ていたお友だちが1人、2人とやってきて「やる~」「~ちゃんも!」と次々手をつなごうとしました。
そこで、つながった6人くらいでまた「いとぐるま」。「かごめかごめ」のようにくるくる廻りながら歌って、最後は円くなったままぴょんぴょんとびはねます。子どもたちにとって、手をつないでとびはねるということが新鮮なようで、はねる前のフレーズまで歌い進むとみんなにやにやしだして「くるぞ、くるぞ…」と期待の表情。そして「らららん、らららん」と始まると待ってましたとばかりにとびはねて笑うのです。あーたのしい。
そんな姿に、さらにお友だちがやってきて手をつなごうとしたものの…「~ちゃんとはつながない」「あっちにつないで」「そっちあいてるっ」と、思いが交錯してかなかなかうまくいかなくなってきました。ただのわがままではないのです。「もう両手がふさがっているから~ちゃんとはつなげないんだ」「あっちのお友だちの手があいてるよ、どう?」って、いいたいんです。けど言葉がちょっと足りないだけ。だからけんかになるわけでもなく「じゃあこっちのてとつないだら?」なんてアイデアをだしながら、なんとかみんながつなげるように考える2歳児さんと、両手をつながれたままことの成り行きを見守る1歳児さんがなんともたのもしく見えるのでした。
結局、その場は円くなれず、それならとばかりに走り出して追いかけっこに展開していきました。が、楽しい遊びを一緒にした仲間なら、うまくいかなくてもまたやってみたい、次はうまくいくかもしれない、という気持ちになるだろうと思います。
もしおとなが口を出して、結果円くなれたとしても、うれしいとは限らないと思っています。「できなかった、まいっか、はしっちゃえ!がははは~」とみんなで走るほうが「生きてる実感」がわくのではないでしょうか。
そしていつか、子どもたちだけで円くなったときのうれしさといったら…考えただけでわくわくしますね。
少しスタートが遅くなった今年度でしたが、子どもたちは例年以上に子どもたち同士のつながりを深めているように思います。さすが、バンビっ子。ひんやりした外の空気をたくさん感じて、まだまだ汗をかいて遊ぼう!
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