2月 バンビだより

1月の大雪を超え、暦のうえでは2月4日に春を迎えますね。毎年バンビに鬼が現れて豆まきをしますが、今年はどんなドラマがあるでしょうか。報告をお楽しみに!

鬼といえば、5年ほど前「鬼のアプリ」というものがあるとききました。子どもの聞き分けがないときに「鬼がくるよ」といってアプリを利用すると、さも鬼から電話がかかってきたように声が聞こえるもののようでした。当時から賛否両論ありましたが、最近ではあまり聞きません。みなさんは利用したことがありますか?わたしはそのアプリの存在を知った時、親御さんたちの苦しさを感じたような気がしました。そこまでしなければならないなんて、子どもたちへの理解を深める機会がないまま親になることは苦しいんだな、と思ったのです。また、生活もあわただしくゆとりがない、金銭的にも人的にも余裕がないということもあるのかもしれません。保護者の方たちも悩んでいるのですよね。とてもよくわかります。

先日聞いた講演は保育の話ではありませんでしたが、子どもに「鬼が来るよ」「おばけが来るよ」と脅していうことをきかせることを「脅育(きょういく)」、「〇〇しないと□□しないよ」と交換条件でいうことをきかせることを「驕育(きょういく)」と命名して「それは教育ではありません」と言っていました。鬼のアプリはまさに「脅育」ですね。その講師いわく「鬼でおどかしても少し大きくなれば『お母さん、そんなことはない』と冷静に否定されておわりです」と。本当にそのとおりだと思いました。なにより怖いのは、うそをつかれて育った子どもは大人を信用しなくなるということです。そして大人を信用しないということは世間を信じることができず、社会で適応しながら生きていくことが難しくなるということだと思うのです。

バンビではこんなことがありました。散歩にでる準備をして玄関にいる子どもたち数人が、お友だちを待つ間に飽きてしまい、ドアに体をどんどんとぶつけて遊び始めました。木のドアなのでかなり騒がしい音がし、それをみた大人は「バンビがこわれちゃうよ」と伝えました。「そうなの?」というようにいったんは止まっても、お友だちと一緒にどしんどしんとする楽しさにはかえられないし、実際バンビが壊れたことなんてないのですぐまた始めます。子どもの方が筋が通っているのですね。

そんなときは子どもの気持ちを汲み取った言葉がけがいいと思っています。「そうだよね~、早く外にでたいよね~」そういわれると「おとなはじぶんのことをわかってくれてる!」と感じてむやみに大人を困らせることがなくなるんですよ。そして本当は大人がうるさくてかなわないからやめてほしいのだという「本音」を「対等な立場」でいってもいいのです。「みんなの声が聞こえなくなっちゃうからいやだなあ」など。鬼のように効果てきめんとはいかないかもしれません。でも確実に、信頼関係は築かれます。

もっと子どもを信じて、待って、本音を伝えていいのですね。鬼に頼らなくてもきっとできる。子どもと一緒に、大人も成長していきたいなあと思っています!

バンビ保育室

世田谷区の保育園、保育所、保育室。東京都世田谷区世田谷にあるバンビ保育室です。 産休明け0歳児~2歳児の保育を行っています。

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