7月 バンビだより
いよいよ夏本番の季節になりますね。
今年はすべての保育施設でプールができなくなってしまいましたが、バンビ保育室では例年プールと水遊びの境があまりなく、たらいやバケツなども使ってたっぷり水に触れているので、今年もたらいを多めに買いそろえて準備をしています。
こんなときは「できないことでなく、できることに目を向けて」とあちこちで聞かれますが、わたしも全く同感です!前向きにとらえてピンチをチャンスに変えてみせるおとなの姿は、子どもたちの目に明るく映っていることでしょう。
前回のバンビだよりで「決まっているように感じることでも見直す力」の大切さを書きました。ちょうどそのあと『「あたりまえ」を見直したら保育はもっとよくなる』という本を買って読みましたが、ま、さ、に、わたしが言いたいのはこのことだ!という内容でしたのでちょっとご紹介します。
例えば本の中に「たくさん声をかける」という見直しポイントがあります。保護者のなかでも、子育ては子どもとの会話が大事だから常に話しかけるようにしています、という方がいるかもしれませんが、実はこの当たり前に大きな問題点がかくれていると思うのです。
子どもは0歳のとても早い時期から会話の内容や起きていることなどを理解していることが近年の研究でわかってきています。静かな環境で、機械的な音でない、例えば葉が風にゆれる音や、雨がぽたぽたと落ちる音、鳥のさえずりなどが聞こえてくることでこころが落ち着き、だからこそおとなや周囲の人間の声に意味を見出すのだと思うのです。
それなのに常に、また一方的に機械音や流れ続ける声があると、刺激を受けすぎた脳がその音をシャットアウトしてしまい、聞いているようで聞いてない子どもの姿になることもあるのですね。
6月は4月に中途半端に終わってしまった慣らし保育のやりなおし、ととらえて過ごしてきました。子どもたちは長い自粛生活のあと、3月までとはちがう仲間のなかで、新しい職員との関係も築くというものすごく大変なことをやろうとしています。考えただけで疲れますよね…!
そんな刺激がいっぱいの生活の中でおとなができることはなんだろう、と思うと、「子どもとしっかり向き合う」よりも「同じ方を向いて同じものを見る」という方が子どもはほっとするのかもしれないなあと感じるのです。ある日は「ん」と言って窓の外を指さした1歳児の〇ちゃんのこころが痛いほどわかり、黙って一緒に外を眺め、言葉はなくてもこころが通い合った静かな時間となりました。
これからもおとなが声をかけるのはやりとりが成立するときだけにする、とこころがける。あとは子どもをよく見てよく聴いて信じて見守るように、これからも日々実践していきます。
7月、みんなが勢ぞろいできたら、うれしいな!
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